湖北里山の薔薇から湖南ベランダ園芸のバラへ

マキノの自然と雑木林の中で咲かせたバラを紹介してきた著者が引越し後ベランダで育てるバラを紹介

雑木林の四季

マキノは琵琶湖の北に位置するため南東の風が吹く季節はいつも湿度が高い。これは湖上を渡る風が水分を含むためと考えられる。近畿一円の気象情報を見ても乾燥注意報がこのあたりに出ることはまれであることからもこの事実が伺える。

 通常は12月から3月半ばまで積雪がありバラ園での作業は剪定ぐらいしかない。 雪の多い年で70〜80cm少ない年でも30cmぐらいの積雪が数回ある。従ってマニュアルに書いてあるような石灰硫黄合剤による冬期消毒はできない。雪が溶けたときにはすでに薔薇の芽はふくらんでいるから。 冬の庭で目を引くのが野バラの赤い実。この赤い実も庭に鹿が来れば一夜にした食べられてしまう。葉を落とした冬枯れの雑木林の木立の隙間から他の時期には見られない竹生島が見え隠れする。雪が降ると様相は一変する。

枯れ枝が真っ白になるときは薔薇の木の雪落としをしないと枝折れになる。気温が低いときの雪は枝につかない。

 桜の花の咲くのは京都醍醐より1-2週間遅れになる。当地に多いエドヒガン桜はやや早い。4月から5月にかけて芝桜やチューリップが咲き始める頃薔薇の新枝が伸び出す。この頃強い西風が吹くことが多く枝が折れたこともある。5月末頃から咲き始めた薔薇は6月に最盛期を迎える。近くの林にはカタクリの花が咲き、チョコレイト色の水芭蕉ともいえるザゼンソウが咲く。

 
      庭の桜に蜜を吸いにくるメジロザゼンソウ  

春の訪れが幾分遅いにもかかわらず梅雨はしっかりやってくるのでつるバラの咲く時期と梅雨の走りが一致すると悲惨な結果となる。7月梅雨明けの後も薔薇はまだ咲き続け8月に2番花が咲き、秋薔薇へとつながる。8月の末になると弱ったバラのみ蕾取りをする。雑木林を渡る風の音が涼しい。土地の水捌けが良いので1週間好天が続けば直植えの薔薇にも水やりが必要になる。

       

  9月から11月ときには12月雪の降るまで咲き続ける薔薇もある。夏から秋は草取りに追われる。晩秋11月末頃から冬支度にかかり、寒肥と腐葉土の補給を雪が来るまでに終える。木枯らしが吹き始めると大量の落ち葉が庭を埋める。これを集めて堆肥とし、その後雪対策もしなければならないのでこの季節が一番忙しい。仮剪定も行い雪折れを防ぐ。