湖北里山の薔薇から湖南ベランダ園芸のバラへ

マキノの自然と雑木林の中で咲かせたバラを紹介してきた著者が引越し後ベランダで育てるバラを紹介

雑木林と薔薇

雑木林と薔薇

琵琶湖西北部のマキノに移住して10年。この間雑木林に囲まれた庭に薔薇を植えて毎年咲かしている。その成果と問題点を記録する。

多くのログハウスが木立の中に見え隠れする当地は川の扇状地に形成した雑木林の中にあり、水はけの良い砂地であると同時に石ころだらけの土地でもある。ここに薔薇を植え付けるには石をほじくり出し、大量の腐葉土や牛糞堆肥あるいは畑土を入れて水持ちの良い土地に改良しなければならなかった。さらに自然が多いということはとりもなおさず虫も多いところであり、鹿や猿、イノシシや熊さえ出てくるところでもある。風通しと日当たりの良い地形を選んだがクヌギやコナラの大木が茂って枝を伸ばしてくると日当たりは悪くなる。

薔薇の害虫としては始末の悪い鉄砲虫の成虫(ゴマダラカミキリ)やバラクキ蜂が多いこともこれまでの都会ではあまり経験したことがなかった。特に鉄砲虫は薔薇だけではなくモミジ、エゴの木、夏椿、西洋ハシバミ等多くの樹木の根元を食い荒らし大きな被害を生じさせる。

雪の被害に対する対策も必要である。12月中に仮剪定をして枝葉の数を減らし、支柱に主幹をくくりつけておかないと枝が雪の重さで根元から折れてしまう。生活用水は地下水を直接ポンプでくみ上げたもので年間を通じてその温度は約12度Cであるため春先の薔薇の新芽には少し冷たすぎる。しかしきれいな空気と水、水はけと日当たりの良いことで薔薇の生育には適している。

従来のモダンローズといわれたHT薔薇やフロリバンダに加え近年人気を集めているイングリッシュローズ、さらにはオールドローズも加えてよく咲いている。形式は自然体であり周囲の雰囲気を壊さないようどちらかといえばイングリッシュガーデン風を目指して楽しんでいる。成果はフォトアルバム、マキノの薔薇を参照してください。