湖北里山の薔薇から湖南ベランダ園芸のバラへ

マキノの自然と雑木林の中で咲かせたバラを紹介してきた著者が引越し後ベランダで育てるバラを紹介

ツルバラのある風景

ツルバラは1本の木に何十或いは何百という数の花を付ける。以前は一季咲きがほとんどであったが近年四季咲きのつるバラも作られてきた。イングリッシュローズは日本の気候では枝がよく伸び、しかも四季咲き性を失わない。また大抵花びらの数が多いが中には一重咲きもある。
下の写真はシュロップシャイアーラスという長い名前のイングリッシュローズである。6月の強い日差しが当たるとアサガオのように萎れるので早朝に楽しむ。

コンスタンススプライ(下の写真)はイングリッシュローズの先駆けであり、一季咲きであるが樹勢が強く、多くの枝を伸ばし多数の花が咲く。


花見川は修景バラといわれるがこの様に孤状に伸びた枝に多くの花を咲かせ、また秋にも咲く。花の大きさが5cm径ぐらいであるが枝もたわわに花を付ける。


上の写真は西の庭を俯瞰したもので左に薄いピンクのポールズヒマラヤンムスクがのぞいて居る。その横の深紅のバラはテスオブザダーバースヴィル、その横に白のシュネーケニギン、その横が名の通りの色のラベンダードリームと花見川。右端に見える木はネムノキ。



シュネーケニギンの白と深紅のテスオブザダーバースヴィル、薄いピンクのポールズヒマラヤンムスク、更にウィリアムモリスとジギタリスが見える。この時期、雑木林の緑も日増しに濃くなる。




上の写真は玄関前の風景。左の黄色いバラがグラハムトーマス。門の左にフロージン。これは本来HTバラであるが、背の高い野バラの先端に芽接ぎをしたもの、その右はシュロップシャイアーラス。奥の建物に展開しているのが薄いピンクのニュードーン。白いHTバラのユキサンが咲き終わった頃に咲き出す。



野バラのように3cmぐらいの花が無数に付く舞子。秋には赤い実が美しい。背景の緑はユリノキ、別名チューリップの木。公園などに植えられていて大きな木になり、チューリップのような形の花が咲く。



楷の木に絡むグラハムトーマス。


  

ドイツの詩人メーリケの詩を一つ

     Nur zu !

Schön prangt im Silbertau die junge Rose,
Den ihr der Morgen in den Busen rollte,
Sie blüht als ob sie nie verblühen wollte
Und ahnet nichts vom letzten Blumenlose.

Mag denn der Jugend Blume uns verbleichen,
Noch glänzet sie und reizt unwiderstehlich;
Wer will zu früh so süßem Trug entsagen?

   Eduard Friedrich Mörike,( 1804 - 1875 )



若い薔薇が銀色の露に美しく光っている
朝がその懐にころがしこんだ露にぬれて
しぼむことなどおよそなさそうに咲いている
花のない季節の予感すらなく


青春の花はいつか果てるとも
まだ輝かしく魅惑してやまない
かくも甘い偽りを誰が早々とあきらめよう

       森 孝明 訳