湖北里山の薔薇から湖南ベランダ園芸のバラへ

マキノの自然と雑木林の中で咲かせたバラを紹介してきた著者が引越し後ベランダで育てるバラを紹介

里山とローズガーデン

里山は人と野生動物が共存している自然豊かな環境であるから、必ずしも人にとって都合の良いことばかりではない。猿や鹿は今日の農家にとっては害獣であり、休日に都会から来る人にとっては可愛い動物でもある。スズメバチは一般には害虫として、時には人命に関わる害を及ぼすこともあるが、無農薬でバラを栽培しようとするガーデナーにとっては毛虫や芋虫の類を狩る狩人となって(もちろん十分気をつけねばならないが)強力な助っ人となる。特にバラの葉を食い荒らすチュウレンジ蜂の幼虫も餌食としてくれる。クモは、特に一般には、毛嫌いされるが彼らも虫を捕らえ、とりわけ都会でのバラ栽培に障害となるダニを退治してくれる。マキノに来てバラを栽培するようになって、殺ダニ剤を用いたことはない。時々ミニバラに発生するダニも鉢ごと地面の上に置いておけば自然にいなくなっている。一方、バラを枯らす第一の原因である鉄砲虫の親であるカミキリムシと新しいシュートをしおれさせるバラクキ蜂には大いに悩まされる。これは雑木林の中にある楓、エゴの木、野バラ等がこれらの虫の寄生先になっていたせいと思われる。事実これらの木々もしばしば被害を受けている。



バラの大敵ゴマダラカミキリ


成虫は木の皮をかじり、一周かじられると木は枯れる。 幼虫は鉄砲虫と呼ばれ木の根の内部を食い荒らし木を枯らす。


ラクキ蜂は成虫はなかなか捕まらないが幼虫は0.1mmぐらいのウジ虫で被害にあってしおれた新梢には螺旋状に筋が付いている。この筋の先端部分を開いてみると見つかる。


このあたりの雑木林には春から夏にかけてエゴの木、ネムノキ、クマノミズキ等のが美しい花を咲かせる。エゴの木の花はやがて結実し秋になるとシジュウカラヤマガラがこの実を食べに来る。


下の写真はエゴの花とその実


梅雨明けが近くなるとピンクから基部の白へのグラデイションが美しい合歓の花が咲き始め雑木林を彩る。 この頃バラ園ではハマナシの実がいろ付き始める。これは猿の好物で間もなく無くなる。この頃ガーデンでは2番花が咲き始める。       

ハマナシの実


合歓の花